2023年5月2日
倶礼·朗岩 (Logan E. Gray)
量子コンピューターとは?
従来のコンピューターと量子コンピューターの違いは何でしょうか? 簡単に言えば、「情報の処理の仕方」にあります。
おそらくこの記事を読んでいるのは普通のコンピューターでしょう。一般的なコンピューターはビットを使い、0か1のどちらかの値を持ちます。一方で、量子コンピューターは**量子ビット(qubit)**を用いるため、0と1の状態を同時に持つことができます。
では、これが何を意味するのでしょうか? たとえば、通常のコンピューターに1000個の問題を解かせる場合、1つずつ順番に処理する必要があります。しかし、量子コンピューターはすべてを同時に計算できるため、圧倒的に高速な処理が可能になります。
人工知能(AI)は意識を持っているのか?
結論から言うと、AIは意識を持っていません。AIとは、高度なアルゴリズムの集合体であり、データを分析し、パターンを学習しながら最適な判断を下す技術です。
AIは、与えられたコードやルールの範囲内でしか動作できません。そのコードを書いているのは人間であり、当然ながら完璧なプログラムは存在しません。つまり、AIが万能な存在になることはなく、人間の作ったルールの枠内でのみ機能します。
もしAIの仕組みをわかりやすく説明するとしたら、ChatGPTに「5歳の子どもにAIの働きを説明してください」と聞いたとしましょう。その回答がこちらです。
「人工知能(AI)は、コンピューターの“脳”のようなものです。人間が脳を使って考えたり決断を下したりするのと同じように、AIも情報をもとに考えて判断します。ただし、人間の脳が肉や血でできているのに対し、AIの脳はコンピューターコードでできています。AIはデータを学習することで、新しいことを予測したり、質問に答えたりすることができます。簡単に言えば、AIは学習できるロボットの友達のようなものです。」
フィアット通貨とは?
もし手元にアメリカのドル紙幣があれば、それはフィアット通貨です。つまり、そのお金自体には本来の価値がなく、「価値がある」と皆が信じているからこそ成り立っているものです。
フィアット通貨とは、金や銀などの資産に裏付けられていない通貨のことを指します。その価値は、通貨を発行する国の経済力や信用度によって決まります。信用度は、GDP、軍事力、政治の安定性、技術力などに左右されるため、国ごとに通貨の価値は異なります。
現在、世界のほとんどの国がフィアット通貨を採用しています。政府は必要に応じてお金を印刷することができますが、その結果、インフレや財政赤字を引き起こす可能性もあります。
CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは?
CBDCとは、政府が管理するデジタル通貨のことです。ビットコインなどの暗号資産と似ていますが、違いは中央銀行(政府)が発行・管理している点にあります。アメリカの場合、管理するのは**連邦準備銀行(FRB)**です。
2022年、ホワイトハウスは「FedNow」というシステムを導入し、デジタルドル(CBDC)の開発を発表しました。これにより、国内外の送金が即時に行えるようになります。
しかし、CBDCには政府による監視・制御が可能になるという側面もあります。デジタルウォレットの取引情報がすべて記録されるため、政府は「誰が、どこで、いくら使ったのか」を把握できます。
中国ではすでにデジタル人民元の運用が進んでおり、政府が特定の目的にのみ使えるよう制限をかけることも可能です。たとえば、政府が給付金をデジタルドルで支給する際、食料や家賃の支払いにしか使えないようプログラムすることができます。さらに、特定の状況に応じて金利を変更するといった制御も理論上は可能です。
現在、世界の117カ国がCBDCの開発を進めています。
総括
2023年に注目された4つのトピックを簡単に解説しました。量子コンピューター、AI、フィアット通貨、CBDC——これらの技術やシステムは、私たちの生活や経済に大きな影響を与えます。
特にCBDCは、政府の金融政策に新たな可能性をもたらす一方で、プライバシーや経済的自由の観点から議論を呼んでいます。今後の動向にも注目していきたいところです。
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